漆器のある風景

■個別記事

Title : おたじ御膳

Day : 2004.03.03

漆の飯椀にてコシヒカリを食する会
【おたじ御膳】

先月の2月23日に、漆の飯椀にてコシヒカリを食する会(飯椀の郷主催)を行いました。福井県内の各地で色々な方々をお招きして、漆の飯椀の良さを、おいしい福井のお米を食べて実感してもらうことを目的としています。今回は、おたじ御膳にて、いっしょに福井の郷土料理も味わっていただきました。

【お品書】
一、平 椀  「嫁ひろげ食」 右上
         身欠きニシン・ジャガイモ・人参・菜種浸し・茄子・千切り大根
一、蓋 物  「報恩講料理の一品」 左上
         ぜんまい田舎煮・大根味噌煮・厚揚げ・里芋・うるい浸し
一、平 皿  「福井全般の食」 中央扇面皿
         こぬか鯖(へしこ)・おちらし・シメ鯖卯の花和え・ホウキの実
一、お壷   「報恩講料理の一品」 右下
         大根と人参のナマス ゆず風味・飾り花一輪
一、御 飯  白米「コシヒカリ」100%
         生産地域 福井県大野市蕨生
         生産者   川端 良一
         認定番号  01A−036−2
         調査日   2003年9月8日

【二の膳】
一、香の物   鰹梅干し・大根浅漬け・赤蕪・花らっきょ・胡瓜浅漬け
一、報恩講   あずき粉吹雪
一、お味噌汁  呉 汁(ひき汁、すりたて) 
           板長写真参照
一、水菓子   フルーツ
一、酒の肴   お造り
おたじ箱 中には器が入っています。
福井では、村や町の報恩講などのごちそうは塗り膳に塗椀を用い、煮しめなどの精進料理を各人が「おたじ」に入れて持ち寄り会食したと言われています。それも、地域によりさまざまだったようです。そして、今でも講のとき、寺膳や八十椀を使っているところもあるようです。
器を前板の上に並べて箱を横にして、板を差込、御膳の完成 二の膳におたじ御膳の説明書

たくさんのお客様にご試食いただきました。珍しい御膳と、最高級の飯椀で、福井の食材を使った料理を味わっていただきました。
板長に、呉汁をその場で作っていただきました。 板長自ら皆さんに装っていただきました。

最高の飯椀の並べて準備をしています。右が下村の社長です。
何とか、お手伝いも終了して、わたくしも最後に「おたじ御膳」をいただくことが出来ました。自分のところが作った最高級の漆器で頂くのですから、それはそれは美味しかったです。おたじ御膳、八十椀、扇面刺身鉢、二の膳(茶懐石膳)などすべて1年かけて作った商品です。
外でいただくお食事で、煮物と出会える!これは本当に幸せ。県外のお客様には「最高のおもてなし」になりそうです。

■今回のおまけ
この呉汁のことは、私たちの地域では、豆汁といっています。


【ばあちゃんの豆汁レシピ】

(材料 約20人分)
  ・大豆   一袋(250g)
  ・蕪     小サイズ8個程
  ・味噌   適量
  ・だし汁  約2,000ml

1.大豆を洗って一晩水に漬ける。

2.その大豆と水をミキサーで数秒、粒が残る
  程度に粗めに粉砕する。

3.だし汁に、蕪を入れやわらかく煮る。

4.ミキサーをかけた大豆を入れ、豆の青臭さ
 がなくなるまで煮る。
 (吹きこぼれやすいので注意)

5.味噌を入れて完成です。

 あまり煮過ぎないのがミソ。
大豆の粒粒感が残っていると美味しい。



今回の企画は、
ウエルシティ福井 福井厚生年金会館にご協力いただきました。
今回ご紹介した漆器は特別企画品です。
 
by しもむらじゅんこ