漆あれこれ

ここでは、漆や下村漆器店の漆器についての情報・豆知識を多く集めました。
とても奥の深い漆や漆器の世界を味わってみてください。

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お椀の大きさの由来

1.椀の大きさはどうして決まったの?

 味噌汁を入れる汁椀も、ご飯茶碗も口径を測ってみると約12?、4寸です。
材質も産地も違う椀と碗が、電話など情報手段もない時代にどのようにして揃いの大きさに作れたのでしょうか?
 昔の長さの単位は、「寸」「里」などは人間の身体からうまれた身度尺だそうです。お椀の口径4寸(約12?)というのは、親指と人差し指でつくった半円にすっぽりと収まる大きさなのです。高さは口径の半分の約6cm。これが、椀の良いプロポーション?片手で楽に持て食べやすく、洗いやすく、そして木地を挽いたり漆を塗ったりする時にも扱い易い大きさなのです。毎日使う汁椀・茶碗だからこそ使い易い大きさがいいですね。

 
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2.最近は小さめが人気!

 日本の食事は昔から主食(ご飯)を食べながら、副食を食べるという世界でも類の無い食べ方です。最近、和食が世界中から注目されている所以です。その副食が和洋折衷化され昔とは品数が多くなったせいで一品の量が少なく、器の大きさ(入る量)が小さくなっている傾向が見られます。また、造る側もデザインを考慮して製作しているようです。
 だから、最近はお椀に関して言えば、ちょっと小さめが人気のようです。12?あるお椀をすすめると、「大きすぎる」とかよく言われたりします。ご自分の食べる量も考えてみなさんお椀をお選んでいるようです。

 
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3.夫婦碗と夫婦箸のサイズは男尊女卑?

 「どうして夫婦茶碗は女性用は、男性用の物より小さいのよ。お箸も短いし。」
と、ある女性が言いました。どうしてそうなったのでしょう?他の国にはない珍しいことのようです。お椀では今はあまり夫婦の差をつけたものは少ないですが、お茶碗では今でも大きさが違うものが多いですね。

 男性用は4寸120mm、女性用は3.8寸114mm。6?の微妙な差があります。「お椀の大きさはどうして決まったの?」でもあるように、身体の大きさを基にお椀の大きさが決まっているということは、男性女性の平均的身長が違うからその微妙な違いが茶碗やお箸に影響している様です。昔の男性の平均身長150cmに合う碗の口径は120mmだとすると、口径は身長の約8%が最適だったと考えられます。さて、現代にあわせて考えると、男性の平均身長は170cmだとすると口径136cmの碗が男性用。女性用は160cmとして128mmの碗。結構大きいですね。ただ、上にも述べたように、食生活の変化も大きく影響していそうです。

 お箸の長さもも同様、もちろん身長比から割り出されています。掌の指を親指だけ直角になるまで横に開いた時の親指と人差し指の間の実寸、これを一咫(ひとあた)というのですがその長さが本人身長のちょうど10分の1に相当し、箸はその一咫の1.5倍が最適な長さだそうです。
 ということは、身長÷10×1.5=箸の長さ
         170cmのひとは、・・・25.5cm
結構長めとなります。ただ、昔からの決りの長さが現在も主流で売られています。普通は22〜24cmのようです。 お箸の長さぐらいと思っていてもやはりお弁当についているお箸がとっても小さい時がありますが、確かに食べづらいですね。自分が食べ易い長さが一番です。最近は女性も長めが主流になってきています。しかし夫婦サイズは今も健在です。

 
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4.持ち手がついた器

 余談ですが、人間が片手で持つ大きさは、直径7.5cmぐらいまでです。ビール瓶大の大きさ位です。身の回りのものを眺めて見て下さい。湯のみ、茶筒、銚子などそのぐらいの持ちやすい大きさになっていると思います。それより大きなものには、持ち手があるのが普通です。たとえば、ビールのジョッキーなどが良い例です。

 
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